婚姻届を提出して姓や本籍が変わると、さまざまな変更手続きが必要になります。

その中の1つが「パスポート」。

特にハネムーン(新婚旅行)で、海外旅行を検討している場合は注意が必要です。<\br> パスポートの名前(ローマ字)と予約した航空券の名前が異なると、飛行機に搭乗できないという事態につながります。

この記事では結婚などで姓と本籍が変わったときの、パスポートの変更事項について、どのようにすればいいのかをご紹介します。

旅行手配時に気を付けるべき、パスポートの確認事項

ハネムーン航空券手配の注意事項

パスポートは、海外渡航する際に絶対に必要なものです。旅行手配時に気を付けるべきこととしては、大きく2点あります。

①パスポートの名前が予約する航空券と同じスペルであるか?

結論、有効なパスポートと同じスペルで航空券を手配していれば、飛行機に搭乗できます。

新規でパスポートを取得する場合や、旅行までに時間の余裕がありパスポートの名前変更をする場合には「新姓」で航空券の予約をするのがいいでしょう。
ハネムーン(新婚旅行)などの旅行までに、名前の変更が間に合わないなど、パスポートの名前変更の予定がない場合は、現状有効なパスポートと同じ「旧姓」で航空券を取得しても問題はありません。

②パスポートの残存有効期間が1年以上あるか?

渡航先や経由地の国・地域によって、パスポートの残存有効期間の規定が異なります。

例)
  • ハワイ:帰国日まで有効なもの。入国時90日以上が望ましい。
    90日以下の場合、旅券の有効期限までの滞在が許可される。
  • フランス:(シェンゲン協定加盟国)出国時3ヵ月以上
  • モルディブ:入国時6ヵ月以上

例えば入国時にパスポートの有効残存期間が100日だった場合、ハワイやフランスは旅行先として検討できますが、モルディブは、残存期間が足りないためパスポートの更新が必要です。

パスポートの残存有効期間が1年以上あると安心ですね。各国の残存有効期間規定は、必ず最新情報を確認しましょう。

▼パスポートの残存有効期間についてはこちらの記事がおすすめ!

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パスポートの記載事項を変更しなくてはならない人は?

有効なパスポートを所有している方が、婚姻届け提出に伴い、パスポートに記載されている事項に変更が生じる場合に、手続きが必要になります。

【手続きが必要な方】

  • 姓に変更があった方
  • 本籍(都道府県)に変更があった方

【手続き不要な方】

  • 本籍に変更があったが、都道府県は変わらない人
    例:東京都世田谷区 →東京都目黒区
  • 姓に変更はあったが、ローマ字表記が変わらない人
    例:伊藤(ito)→伊東(ito)、阿部(abe)→安部(abe)など
  • パスポートの記載事項の変更方法

    パスポートの記載事項の変更方法

    パスポートに記載されている事項(姓・本籍)を変更する方法は、「切替申請」と「残存有効期間同一申請」の2通りあります。

    ①「切替申請」とは?

    「切替申請」の場合は、現在有効のパスポートは失効となり、残存有効期間も切り捨て、旅券番号も新しくなります。
    切替申請時にパスポートの有効期間を、10年または5年から選ぶことができます。
    「切替申請」の手数料は従来の窓口申請の場合、10年用が16,300円、5年用が11,300円です。
    オンライン申請の場合には、10年用が15,900円、5年用が10,900円となっています。

    ②「残存有効期間同一申請」

    「残存有効期間同一申請」は、現在のパスポートは失効となるものの有効期間は、現在のパスポートが引き継がれます。
    「残存有効期間同一申請」の手数料は従来の窓口申請の場合6,300円、オンライン申請の場合には5,900円です。
    パスポートを取得したばかりの場合は、「残存有効期間同一申請」がおすすめ。

    ※2025年3月24日以降に申請の場合は「切替申請」、「残存有効期間同一申請」ともに手数料が変更になります。詳細は下記表の「手数料」をご参照ください。

    「切替申請」「残存有効期間同一申請」のどちらであっても、所持人自署(サイン)や顔写真、旅券番号、ICチップ内のデータは新しくなります。
    代理人による申請は可能ですが、受け取りは本人のみとなりますので、注意が必要です。

    旅券番号が新しくなるため、取得済みの査証(VISA)などが無効になる場合があります、渡航先の大使館等に確認しましょう。
    例えば、ハワイ(アメリカ)に観光で訪れる場合、ESTAが必要になります。通常2年間有効となりますが、パスポートの有効期限日をもって無効となるため、旅券番号(パスポート番号)に変更があった場合は、再申請が必要です。

    ▼2025年3月24日以降の新パスポートについてはこちら

    比較項目 切替申請 残存有効期間同一申請
    現在有効中のパスポートはどうなる? 失効させて新しいパスポートに変わります
    所持人自署(サイン)
    顔写真
    旅券番号
    新しくなります
    ICチップ内のデータは? 新しくなります
    パスポートの有効期間は? 発行日より10年または5年を選択
    ※現在のパスポートの残りの有効期間(残存有効期間)は切り捨て
    ※18歳未満の方は5年のみ
    現在の有効期間満了日は変わりません
    受取までの日数 受取窓口によって異なります
    手数料
    (2025年3月23日迄)
    10年用:16,000円
    5年用(12歳以上):11,000円
    5年用(12歳未満):6,000円
    6,000円
    手数料
    (2025年3月24日以降)
    【窓口申請】
    10年用:16,300円
    5年用(12歳以上):11,300円
    5年用(12歳未満):6,300円
    【オンライン申請】
    10年用:15,900円
    5年用(12歳以上):10,900円
    5年用(12歳未満):5,900円
    【窓口申請】:6,300円
    【オンライン申請】:5,900円
    代理人による申請 できます
    代理人による受取 できません

    パスポートの申請に必要なもの

    基本的には「切替申請」と「残存有効期間同一申請」は同じ方法で申請が可能です。

    新しい戸籍謄本を取得の際、申請する場所により取得日数が異なります。
    2週間ほどかかる場合もあるため、余裕をもって申請しましょう。また、パスポート取得にも通常土・日・祝日を除いて1週間程度必要です。
    (※2025年3月24日以降に申請の場合は発給までに土・日・祝日を除いて2週間程度必要です。)
    パスポートの名前を新姓にして、ハネムーンに出掛ける場合には余裕をもった準備が必要です。

    必要種類 切替申請 残存有効期間同一申請 備考
    ①一般旅券発給申請書 1通 「ダウンロード申請書」又は手書き書式の申請書が使用可能
    ②新しい戸籍の謄本 1通 申請日前6か月以内に作成されたもの。
    (注)改正旅券法が施行される2023年3月27日以降は、戸籍謄本のみ。
    (抄本は受理不可
    ③住民票の写し 1通 (1)住民基本台帳ネットワークシステムの利用を希望されない方
    (2)住民登録をしていない単身赴任先や就学先等の都道府県で申請される方
    ④写真 1枚
    • 縦45mm×横35mmの縁なしで、無背景(無地で淡い色)の写真。
    • 申請日前6か月以内に撮影されたもの。
    • 無帽で正面を向いたもので、頭頂からあごまでが34プラスマイナス2mmであるなど申請書に記載されている規格を満たしていることが必要。
    • 写真の裏面には申請者の氏名を(表面に文字が浮かび出ないよう筆圧に注意して)記入。
      ⑤有効旅券 返納し、失効処理されます。
      「切替申請」:残存有効期間は新しい旅券の有効期間には加算されません。
      「残存有効期間同一申請」:現在の有効期間満了日は変わりません

      ※オンライン申請の場合は必要な書類が異なります。詳細は申請先の各自治体のホームページ等でご確認ください。

      パスポートの名前の併記について

      パスポートの氏名は原則、戸籍名となります。

      2021年4月1日からは「戸籍に記載されている氏名以外の呼称が社会生活上通用しているものであることが確認され、かつ、申請者の渡航の便宜のため特に必要であると認める場合に、戸籍に記載されている氏名に加えて当該呼称を併記することができる。(出典:外務省旅券(パスポート)の別名併記制度についてより抜粋)」とされ、戸籍謄本、旧姓が記載された住民票の写し、旧姓が記載されたマイナンバーカード、以上のいずれかで旧姓を確認できれば、姓欄の右横に旧姓が併記できるようになりました。
      旧姓の箇所には、英語で「Former Surname」との説明書きが加わります。

      旅券申請者からの申出を受け、外務大臣又は領事官は、我が国又は外国の政府機関又は地方公共団体が発行した書類等により戸籍に記載されている氏名以外の呼称が社会生活上通用しているものであることが確認され、かつ、申請者の渡航の便宜のため特に必要であると認める場合に、戸籍に記載されている氏名に加えて当該呼称を併記することができる。
      出典:外務省旅券(パスポート)の別名併記制度について

      注意

      航空券やビザ(査証)は、( )内に併記された名前ではなく、戸籍に記載された名前で手配してください!
      ICAO文書には規定されていない例外的な措置であるため、ICチップ及びMRZ(Machine Readable Zone)には記録されません。
      そのためパスポートに( )で併記されていたとしても、査証及び航空券は戸籍に記載された名前で手配しましょう。

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